ジャム理論
ジャムを売るにはどうしたら良いのか?
一般的にはジャムを売りたいなら、ジャムの品揃えを増やした方が良いとか、味を美味しくした方が良いとか思うと思いますが、実はこれではダメです。
なぜならカスタマーアクションを考えてない、把握していないからです。
実は、ジャムの種類を24種類に増やしたところ、購入率は3%に低下し、6種類に減らすと30%の購入率になります。
つまり種類が多ければ購入してくれるというわけではありません。
商品の魅力を広く伝えるのではなく、より深く理解してもらうことが大切なのです。
カスタマーアクション
カスタマーアクションを考える時に大切なのは、ジャムを使わないようなパンを食べない人も考えることです。
つまり非顧客のことも考えます。
ジャムを使うパンを食べる人だけを考えていると顧客層も広がりませんし、本当の解決策は見えてきません。
例えばお弁当ジャムやご飯ジャムのようなものを開発することで非顧客へのアプローチも可能です。
アメリカのドラッグチェーン店の話
アメリカのドラッグチェーン店での話ですが、売上が低下してきたので社長が役員を集めて売上低下についての会議をしました。
そこで社長は役員に売上が上がらないことを聞いても、全員が品揃えが悪いや、立地が問題などを言っていたそうです。
ここで社長が役員の1人を明日会社を休んで、インフルエンザにかかった程で病院へ行き、処方箋をもらいドラッグストアに薬を買いに来い。その他の役員はそれに同行しろと命じました。
すると翌日、その役員は朝から病院へ車で30分かけていき、診察を受け、処方箋をもらい、車でドラッグストアへ行きました。
待ち時間などもあるので、5時間以上かかったそうです。
このことから見えてくるのが、ドラッグストアに行かない理由は品揃えが悪いなどではなく、単純に「面倒」だからです。
だから、ドラッグストアに医者を常駐させる。しかし医者が費用がかかるので、1/3のコストで済む上級看護師を常駐させ、処方箋を書いてもらうことでわざわざ病院へ行かずとも薬を買えるようになりました。
このように、カスタマーの行動を考えた結果、購入者が増やすことができました。
データや業界風習、既存概念を捨てるということが大切です。
デザインスキル
1800年代後半
ピカソやゴッホといった画家がいました。
ピカソは世界で一番売れた画家です。
そんなピカソやゴッホの絵画は一度は見たことがあると思います。
この当時のアートは綺麗に描くのが常識でした。
この時代にどのようにして売り出していったのか?
これも行動を考えています。
その当時絵画を買う人は富裕層でワインを飲んでいる人が多いです。
そのためにワインボトルのラベルに絵を描きます。
そのようにして認知をしていき、売り出していったのです。
マーケティングデザイン〜既存概念を破壊する〜
商品やサービスを中心に物事を考える思考法ではなく、人々の行動を中心にして考える思考法にしなくてはいけません。
例えば、日本酒市場で考えます。
日本酒市場は小さくなっています。
それはワインを飲まれる人が増えてきたからです。
それはなぜかというと、元々日本では魚文化でしたが、欧米文化によって肉料理がメインになりました。
その食事の変化の結果、日本酒からワインが人気になりました。
これをモノ思考で考え施策おw考えてみます。
- ラベルを変える
- PRを強める
- 値段を下げる
このようになります。
しかし、行動思考で考えていくとこのようになります。
- さっぱりした料理に合うお酒
- コクのある料理に合うお酒
このように市場をずらして考えることができます。
しかし、大手などは簡単にはできません。
なぜなら、さっぱりした料理市場などには明確な数値がなく、データで判断していく大手ではなかなかできないことです。
実際にこのやり方で施策をしていくとメニューブックなども変えていきます。
ジャム屋の施策
ではジャム屋さんがジャムを売り出していく時にどのようにして施策をするかを考えていきます。
ジャムと一緒に買う物をモノ思考で考えると、パンになると思います。
しかし行動思考で考えると、パンは朝食で食べることが多いので、「朝食」という考えになります。
その結果、ジャム屋では、「朝食屋」などへ事業を転換させていくのも良いと思います。
VOT
では、私たちのビジネスでどのように応用していくのかを説明します。
それは、VOTと呼ばれるフレームワークを利用します。
V value 価値 自社の提供している価値は何か
O obstacle 障壁 その価値を何が下げているか、邪魔しているか
T true-reason 真実の理由 下げているものを選ぶ真実の理由
例えば
こちらを解説していきます。
まずVのvalue
デジタルカメラを売っていきたい。
O obstacle
デジタルカメラの障壁になっている物はスマホです。スマホについているカメラのせいです。
T true-reason
では、スマホが選ばれている本当の理由はなんでしょう。それは自撮りができるからや便利だからです。
では、ここからどのように施策をしていくか考えます。
T true-reasonで自撮りができるということなら、その自撮りから考えていきます。
デジカメで自撮りをできるように
インカメラを作る。
セルカ棒のようなもので自撮りをしやすくするなどがあります。
このように、自社のサービスや価値を邪魔している物の本当の理由を考え、その理由から施策を考えていきます。
このフレームワークを使わずにモノ思考で考えると、スマホよりも良い画質にしなくてはいけないや、スマホよりもズームができるようにしなくてはいけないなどと考えてしまします。
すると、利益率の低下に繋がります。
今の時代は、
既存価値VS代替価値
これで考えてしまうと利益率が下がってしましますの絶対にダメです。
まとめ
- 自分の顧客への概念、消費価値破壊
- 物事の破壊と想像をデザインという
- 今の時代は物競争思考は無意味
- VOTフレームワークで価値の創造
- Tの答えから施策を考える